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WF-1000XM4とWF-1000XM5を他のTWSとともに比較

私はここ数年間で以下のイヤホン達を購入し、利用してきました。

  • BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ
  • Audio-Technica ATH-TWX9
  • SONY WF-1000XM4
  • SONY WF-1000XM5
  • Technics EAH-AZ100
  • INZONE Buds

ATH-TWX9については装着感が致命的に合わなかったため、本項では登場しません。

INZONE Budsについても、少々毛色が異なる製品のため、登場しません。

ここでは、その中で最も利用期間の長かったSONY WF-1000XM5について、主にXM4やAZ100と比較しながら掘り下げていきたいと思います。

本項における動作の所感は、当時利用していたスマホのXperia・Windows PCのどちらともLDACで接続した際の内容です。

ただし、LC3の項目だけはスマホのGoogle Pixel 10とペアリングしての記事となります。

なお、Windows PCとのLDAC接続には「Alternative A2DP Driver」という有料のソフトウェアを利用しています。

XM4と比べてXM5が良くなったと感じた点

  • 音質の向上、特に音場が拡大
  • 筐体全体の小型化
  • 低音域に対するノイキャン力向上
  • 操作時の音声アナウンス廃止による待ち時間減少
  • 音声アナウンスの音量を変えられる
  • LC3対応(Pixel 10で接続を確認)
  • 純正イヤーピースサイズの選択肢増加

悪くなったと感じた点

  • 装着時の快適性低下
  • 少々心もとないバッテリー持ち
  • イヤホンがツルツルした素材感に変更され、滑って落としやすくなった
  • 充電ケースからの取り出しにくさ
  • イヤーピース側に防塵ネットが設置されている前提の本体側のデザイン
  • プラチナシルバーの場合、同色純正スペアイヤーピースの仕入れがひと手間かかる(ランニングコストも高め)
  • XM4も同様だがイヤーピースを洗えない
  • ときおり接続が失敗する
  • 自分の心音が気になるようになる
目次

WF-1000XM4も非常に完成度の高い機種でしたが…

これまで様々な機種を試してきましたが、XM5のひとつ前の機種にあたるXM4は、当時、音質とノイズキャンセリング性能を超える選択肢が他に見当たらず、後述する大問題を抱えてはいたものの非常に完成度が高く、愛用していました。

XM4が抱えていた大問題とは「バッテリー消費に極端な左右差が発生する問題」です。

この問題は、満充電から1時間くらい利用しただけで、右耳は80%ほどバッテリーが残っているとされているものの、左耳がバッテリーを使い切ってしまい、シャットダウンしてしまうという現象です。

私自身の実体験や、SNSの意見などを総合すると、購入後1年ちょっとで症状が現れるようでした。

私は商品に不具合が発生したらまずは公式のサポートに掛け合うという性格のため、公式サポートに不具合かどうかの問い合わせを行いました。

すると、延長保証には加入していなかったため保証外の修理であり、バッテリー交換で「2万5千円弱」の修理見積となりました。

私が今振り返ってもやはり納得がいかなかったのは、当時のSONY側の修理対応です。

私はXM4は「予約購入組」でり、発売日に入手したため、この症状を経験した最初期のうちの1人だったと思われます。

ですので、メーカー側にも単なる個体差かあるいは製品由来の不具合かのノウハウがなく、通常修理の対象となり、高額な修理見積となったのでしょう。

当時、XM4新品の実売価格が3万円ほどであり、修理代にしては高額すぎるため修理は断念し、同モデルの新品を購入し直すことにしました。

しかし皮肉にもその直後から、同様の症状を訴えるユーザーに対しては保証期間外でも「無償での新品交換」が行われるようになった、という報告をSNSで見ました。

公式にそういった発表があったわけではありませんが、後に同様の症状に対して一定の救済措置が取られたのを見るに、製品由来の不具合の類だとメーカーが暗に認めたのではないでしょうか。

メーカー対応に一貫性がなかった点は非常に残念な思い出ですが、この無償対応も恒久的なものではなかったようで、しばらくして再び有償修理に戻ったという報告もあがっていました。

こうしたメーカー側の対応に左右されないためにも、高額なワイヤレスイヤホンを購入する際は、自衛策として「延長保証」への加入が必須であると痛感しました。

……と、当時の苦い思い出を語ってしまいましたが、最後に少しだけ救いのある後日談を。

新たに買い直したXM4に関しては、XM5に買い替えるまでの1年10ヶ月間を不具合なしで稼働してくれたので、いずれかの時点で問題は解決されていたようです。

各機種の比較表

評価項目QCEXM4XM5AZ100
音質
ノイキャンの強さ
ノイキャンの圧迫感とても強いさほど感じないさほど感じないほぼ感じない
装着快適性
接続安定性
アプリとの連動性
バッテリー持ち
通話マイク音質

音質について

XM4とXM5の比較がメインの本稿ではありますが、これに関してはAZ100の圧勝です。

私としてはBOSE QCEⅡ(Ultraではない機種)や、Audio-technica ATH-TWX9も所持しており、それらと比較しても総合力で勝るXM5が結局メイン機として勝ち残ってきましたが、そのXM5を押しのけてAZ100が一気に最上位に登ってくるとはちょっと想像していませんでした。

音質に関しては個人の好みが多分に反映されるところですが、それでも、XM5ではAZ100に勝てるところひとつもないんじゃないかな、くらい強烈。

今ではすっかりAZ100がメイン機であり、たまにAZ100のバッテリーが切れたあとにつなぎでXM5を使うシーンもありますが、XM5ってこんなに音質曇ってたっけ…という印象になってしまいました。

AZ100はイヤホンというよりスピーカー的な鳴り方というんでしょうかね。すごいです。

低音強めですが、BOSEとはまた違った方向性。

BOSEは低音がガッツリ強めという感じですが、AZ100は低音が豊か、解像度が高い、そんな具合。

ホワイトノイズも無し。

家電量販店で試聴した際、ああいった場所って店内アナウンス・BGM・お客さんの喧騒で、ノイズキャンセリング機だとしても音質の判断って難しいじゃないですか。

そんな環境でも、一聴して、これすごい!と訴えかけてくるものがありました。

これが磁性流体ドライバーの威力でしょうか。

XM4とXM5の比較で言えば、音場は前作より確実に広くなっているし、音質も良くなった。

音場については4と5で同じ音楽を聴き比べたらすぐ分かると思います。

どうよくなったか専門家的なことを言語化する能力はありませんが、XM5でいつものお気に入り音楽を聞いたら鳥肌が立ちました。(このときはAZ100入手前でした)

LDACで接続できる機器間で比較しても、やはりというべきか、Xperiaとの接続時が最もリッチなサウンドに聞こえました。

ノイキャンの強さ

これに関しては、ノイキャンの強さだけで言えばQCEⅡの一強でした。

このあたりは、さすがノイズキャンセリング機能を初めて大衆的に商業化したメーカーのBOSEといったところ。

ノイキャンが優秀だと言われているXM5でもまだ及びません。

XMシリーズは、純正ウレタンイヤーピースによる高い遮音性もノイキャンの強さに寄与していますが、QCEⅡはただのペラペラのシリコン系と思われるイヤーピースなのにこのキャンセル力は、相当すごいと思いました。

ただし、音質の項目でも触れましたがQCEⅡはホワイトノイズがあるため、デジタル耳栓のような、音楽は流さないけどノイキャンの機能だけ利用したい、というニーズの方にとっては、無音時のホワイトノイズを許せるかどうかが大きな焦点になります。

また、QCEⅡはノイキャン時特有の圧迫感がかなり強くあり、イヤホンを外したときに、耳が解放された!という感覚が強いです。

その点、ノイキャンの圧迫感を特に感じさせないまま強力なノイキャンを有しているXM4とXM5はかなり優秀と言えます。

あの、ノイキャン特有のツーンとした圧迫感が苦手だという方は、XMシリーズを一度試してほしいです。

XM5ではXM4と比べてノイキャンが20%ほど強力になったことがアピールされていますが、私としては正直ノイキャンの進化のみを目的として4から5へ買い替えようと思うほどの訴求力はないと感じました。

AZ100に関しては、リスニングの邪魔をしない程度にノイキャンが効いていればいいかな、というような、Sennheiserあたりと同じ傾向な感じがしました。

AZ100はノイキャン目当てに購入する機種ではありません。

筐体全体の小型化

XM4からXM5にアップデートされるにあたり、筐体の体積が25%サイズダウンしたことがアピールされています。

実際、耳からの飛び出し感については、この小型化の影響もあり、かなりおとなしくなりました。

低音域に対するノイキャン力向上

XM4からの進化としては、低音域のキャンセル力向上を感じました。

電車に乗ったときに特に実感しましたし、家事をしているときに衣類乾燥機のゴー音が、4では消えきりませんでしたが、XM5では気にならなくなった。

操作時の音声アナウンス廃止による待ち時間減少

音声アナウンスの音量を変えられる

XM4からの大きな変更点といえば、XM5はケースから取り出して耳にはめたとき、バッテリー残量の目安のアナウンスが無くなったこと。

Bluetooth接続時やノイズキャンセリング・アンビエントサウンド切り替えの音声アナウンスなども廃止され、電子音のみになっています。

この点はSONYのサウンドコネクトアプリで音声アナウンスか電子音か選択式でもよかったかなと。

たしかに、イヤホンのどっちをどうタッチしたらどういう動作をするのかを覚えてしまうと、あのアナウンスが終わるまで待たなければいけないのはわずらわしかったので、一定の納得がいく変更点ではあります。

ただし、「バッテリーが少なくなりました」「バッテリーが無くなりました」は音声アナウンスがあります。

日本語アナウンスにしていると、バッテリーが完全になくなってシャットダウンされる際、バッテリーが無くなっ…。と、アナウンス途中でシャットダウンされることもあります。ちょっとお茶目です。

それらのアナウンスの音量を変えられるのもポイントが高いです。

ただし、アナウンス完全OFFには出来ません。

一方で、AZ100はアナウンス音量の変更もできますし、電子音なのかアナウンス式なのかの選択もできます。

さらに便利なのが、接続した機器に応じて音声アナウンスで知らせてくれる機能です。

たとえば、スマホと接続したら「スマートフォンに接続」とアナウンスするようにTechnicsのアプリから設定することが出来ます。

これは家庭内で様々な機器とペアリングしている方にとって、どの機材とつながったのか?が瞬時に分かる素晴らしい機能です。

アナウンスを完全にOFFにはできないのはXM5と一緒です。

AZ100は総じてユーザビリティが高めです。

LC3(LE Audio)対応

XMシリーズがLC3に対応したというのはかなり大きいんじゃないでしょうか。

同シリーズでもヘッドホンのXM5は非対応ですし。

現状対応してる機材が少ないですが、今後のエコシステム(あるいは、対応機器の選択肢)が普及してくれば、少々高額な価格に対する評価も変わってくるんじゃないかと。

LC3だと通話品質が格段に向上しますので、通話メインの方は最重視すべきポイントではないでしょうか。

私は正直、マイク性能よりも、通信コーデックのほうが大事だと思っています。

さらに、先日発表されたインテルのCore UltraがLE Audioサポートを発表しているため、普及の加速が期待されます。

ただLC3は、現状LC3に対応している機種同士でも無条件にペアリング出来るというわけではないようで、まだまだあまり実用的ではないのが残念ではあります。

LC3を利用することを主眼に置くなら、この機種とXM5はつながるのだろうか?と事前リサーチが必要。

例えば、わりと待望だったLC3対応トランスミッターのCreative BT-W6がXM5非対応でした。

私はその後、スマホをXperiaからGoogle Pixel 10(スタンダードモデル)に買い替え、Pixel 10において、XM5とLC3でペアリングでき、音楽リスニングや通話に利用できることを確認しました。

正直音楽のリスニングはLDACのほうがまだ高音質ですが、通話品質の向上は目を見張るものがあります。

Bluetoothイヤホン利用時の通話のラグ、遅延がだいぶ解消されました。

こちらが話し終えても、ワンテンポあってから相手からの返答があるあの感じ、Bluetoothイヤホンで通話時特有のものですよね。

お互いにBluetoothイヤホンを利用していようものなら、ニュースとかで海外特派員に生放送で話しかけるくらいのタイムラグがあることも。

経験上、企業のカスタマーセンターのような、IP電話と通話する際は遅延が顕著な印象があります。

別に相手の話を遮る気なんて全く無いのに、著しい遅延のせいで結果的に発言を被せるようなことが頻発したりして、不幸な齟齬を生む原因にもなったり。

また、自分の声を相手に届ける際の明瞭さも、相手からの視点ではこちらがLC3を利用しているとだいぶ改善されるはずです。

もちろん、相手方がLC3を使ってくれていたら、Bluetoothイヤホンで話してる感(ハンズフリー感)が丸わかりの音質が、だいぶ改善されるはずです。

LC3が通話品質の向上にどのくらい寄与するかは、カタログスペックからも明らかです。

従来のBluetooth ClassicとLC3の通話品質をざっと比べてみましょう。

スペック比較Bluetooth ClassicLC3
サンプリングレート16kHz32/48kHz
遅延(レイテンシ)100~200ms20~30ms
ビットレート64kbps16~128kbps

サンプリングレートとビットレートの違いについて

サンプリングレート

アナログである人間の声を、デジタルデータに変換する際に「1秒間に何回切り取るか」という頻度のこと。

ビットレート

変換された音声データを「1秒間にどれだけの情報量(データサイズ)として送信するか」という量のこと。

結局は、どちらも数値が大きいほど通話に役に立つということですけどね。

いかがでしょうか。

LC3が通話するためのコーデックとしていかに優れているか、一目瞭然ですよね。

ただし、LC3にて接続するとマルチポイント機能が利用不可となることは注意点です。

また、これは嬉しい誤算と言うべきか、こんなこともありました。

LC3を利用したい場合は、SONYのサウンドコネクトアプリより低遅延モードを選択し、LC3を利用するように設定します。

そうするとスマホ(Pixel 10)とはLC3で接続するようになりますが、LC3利用不可な端末とは繋がらなくなるのではないかという懸念がありました。

Bluetooth Classicにしか対応していない端末で利用したい時は、一度Pixelと接続してから、アプリにてまた音質優先(LDACモード)にし直さなければいけないのではないか?と思っていました。

しかし実際はそんなことはなく、パソコンから接続を要求した際にはLDACで接続してくれました。

純正イヤーピースサイズの選択肢増加

XM4では純正イヤーピースはS/M/Lの3種類でしたが、XM5からはSS/S/M/Lサイズの4択になりました。

女性の方や、お子様にとっては嬉しい変更ではないでしょうか。

通話マイク音質

これについてはXM5とAZ100が性能がいいと思われます。

しかし、通話マイク音質は、もちろんマイクの性能そのものもある程度重要ですが、一番重要なのは通信プロファイルとそれに伴うコーデックの制限と言えます。

Bluetooth Classicでスマホと接続する限りにおいては、いくらマイク性能が良くても、通話モード(プロファイル)に切り替わった瞬間に古い通話用コーデックの通信帯域の邪魔が入ってしまい、どうしてもBluetoothイヤホンでハンズフリーで通話している感が相手に丸わかりとなってしまいます。

ですので、XM5とAZ100については、LC3利用時には5点満点(ただし、いくらLC3といえども、やっぱりBluetoothでハンズフリーで通話している感はそれなりに出ますので、ハンズフリー通話デバイスとしては5点)としたいと思います。

AZ100に関しては、Technicsのアプリより、Voice Focus AIという、通話時に周囲の喧騒がマイクから相手に伝わらないように、マイクに対するノイズキャンセリングをかけることができます。

これが意外とくせ者で、周囲が静かな状態でONのまま通話すると、ちょっと不自然な声になりがちだし、とはいえOFFだと周囲の喧騒が入ってしまうしで、なかなかONにするかOFFにするか難しいところです。

相手の立場にたてば、多少声が不自然でも周囲の喧騒が伝わってしまうよりは静かな方がいいですから、ONで運用するのが丸いかもしれません。

結局のところ、通話に関しては、LC3を使える機種だとしても、Bluetoothイヤホンを経ずにスマホ本体のマイクを使って会話するのが最も遅延がなくてクリアなのは揺るぎません。

装着時の快適性低下

XM5は前作より様々進化していますが、装着の快適性だけは劣化したと感じます。

当然、私個人の話であって、耳の形次第では全く問題ない方もおられるでしょう。

装着の快適性は正直音質とかより大事だと思っているので、私にとってはそこが劣化したのはもっとも痛手。

XM5は充電ケースもそうですが、イヤホン自体の筐体が小さくなって、耳からの飛び出し感が減ったとうところがひとつの大きなセールスポイント。

しかし、そこが悪さしてくるとは想像していませんでした。

XM4は耳にはめたらイヤーピース以外の部分は耳に直接触れる面積が少なく、それゆえ飛び出し感があったわけですが、筐体がほとんど耳に触れない、あるいは触れても軽微だからこそ何も起きなかった。

しかしXM5は筐体ごと耳のくぼみに押し込むデザインになったため、筐体が耳に触れる面積が増えた。

それゆえ飛び出し感も減ったわけですが、耳に触れる面積が多いと、そもそも耳の形で合わない人が増えるだろうし、私の場合はATH-TWX9がまさにそうだったのですが、長時間装着していると筐体が耳に触れている部分が痛くなって装着がしんどくなり、結局使わなくなる。

ATH-TWX9は装着1時間でかなり耳が痛くなってしまい私には決定的に合わなかったのですが、XM5にはその気配があります。

3時間くらい装着していると、ほのかに痛くなってくる。

XM4は満充電からバッテリー切れまで装着していても何も起きません。

その点、QCEⅡは耳に触れる部分がイヤーピースとスタビリティバンドと、ともに柔らかい素材であり装着感・快適性は極めて良好だった。

筐体が耳に触れる面積が多いことによるデメリットとしてもう一つ感じたのは、通話の際のこと。

話すと表情筋が動くにつれて、イヤホンがちょっとずれてくる、浮いてくる可能性が高くなってくる。

通話中にイヤホンのポジションを直すことになったのは、XM4では無かったことでした。

ですので、ずれ・浮きを防止するためにXM4よりイヤーピースを仕方無しに1サイズ上げていますが、通話時以外にこのサイズが快適かと言われると微妙です。

少々心もとないバッテリー持ち

これは新機種になってバッテリー持ちが短くなったとかそういう話ではなく、公称のバッテリー持ち時間にほとんど進化がないため、悪い点としてあげました。

ただ、新機種になったらバッテリー持ちは長くなっていって欲しいというのがユーザーとしての希望ではありますが、新機種ほどプロセッサーの高性能化や、ノイズキャンセリング処理の複雑さに伴って消費電力は増えているとも予想されますので、むしろ負荷は上がっているのにバッテリー持ちが変わらないのは凄いという見方もできるかもしれません。

それでは、実際の数値はどうなのか。iPhoneユーザーに重宝されそうなAACと、Androidユーザーに重宝されそうなLDACにおいて、イヤホン単体におけるコーデック別のバッテリーの持ち時間を比較してみましょう。

XMシリーズにおいては、高音質化技術であるDSEE Extremeのオンオフでもバッテリー持ちが変わるため、ここではOFFの状態の持続時間とします。

せっかくなので、私は未購入ですが、執筆時点でXMシリーズの最新機種であるXM6にも加わってもらいましょう。

ノイキャンについては、ONの状態で比較します。

バッテリー持ち比較XM4XM5XM6AZ100
AAC最大6時間最大8時間最大8時間最大10時間
LDAC最大5時間最大5時間最大5時間最大7時間
LC3非対応最大7時間最大7時間最大5時間

このように、XMシリーズは新機種になっても駆動時間はほとんど変化がありません。

特に、LDACについてはSONY発信のコーデックであるのに、バッテリー持ちの面において同コーデック利用時に他社製品に溝をあけられているのは、SONYファンとしてはもう少し頑張ってほしいところですよね。

私は今はAZ100がメイン機ですが、表をご覧になって分かる通り、AZ100はLC3が最もバッテリーが短命なのは非常に気になります。

LC3とは基本的に、従来の半分以下のデータ量でも高音質を維持できるため、通話の高品質化にも寄与しますが、音楽を聴くときのイヤホンの通信電力を大幅に節約できるという省エネを打ち出しているコーデックです。

LDAC利用時よりもLC3利用時のほうがバッテリー持ちが短いというのは、最適化不足というほかありません。

この点、AZ100はトレンドのLC3に対応させるために、ひとまず先行して搭載したという印象を抱いてしまい、今後の最適化によるバッテリー持ちを改善して欲しいところです。

イヤホンがツルツルした素材感に変更され、滑って落としやすくなった

充電ケースからの取り出しにくさ

イヤホン本体部分において、XM4はつや消し加工だったのにXM5ではツルツルした加工になりました。

せっかく筐体が小さくなって耳からの飛び出し感を減少させたことがひとつの売りなのに、太陽光や照明を拾って反射するため、飛び出しているより目立ってしまう感じがする。

また、ツルツルした素材感になったことで、本体をつまんでいる時に滑りやすくなった。

利用するにつれてどうしても皮脂が付着してくるので、滑りやすさは加速。

取り出しにくさについては、真上に引き抜くというより、ケースのフタの方向に押し出すと良好です。

イヤーピース側に防塵ネットが設置されている前提の本体側のデザイン

XM5ではイヤーピース側に防塵ネットが配置されていることがひとつの特徴ですが、それに伴ってイヤホン本体側ノズルの出口部分にXM4では設置されていた防塵フィルターがない。

サードパーティ製のイヤーピースを様々楽しむのもイヤホンのひとつの楽しみですが、XM5用に防塵ネット付きのイヤーピースでなければ異物が入り放題となってしまう。

そのあたりを気にする方は、現状でサードパーティ製のイヤーピースの選択肢が極端に狭まってしまう。

イヤホン内部にホコリなどが侵入しても、たちどころに問題になることは少ないとは思いますけどね。

プラチナシルバーの場合、純正スペアイヤーピースの仕入れがひと手間かかる

その後、入手性が改善したのでその旨も追記

ブラックは様々な通販サイト上で普通に購入できるのですが、プラチナシルバーの場合はSONYの付属品購入フォームから取り寄せる形になっています。

購入の意思表示を送った上で担当部門からの返信を待たねばならず、SONYから直接購入するためディスカウントを受けられない。

私の場合は問い合わせ後、1時間程度で返信が来ました。

片耳分1サイズのみで1個¥770、1ペア程度の購入額だと送料が660円。

つまり左右ペアで購入すると計¥2,200。

配送業者は日通で代引き・現金払のみ。ちょっと不便。

到着はまあまあ早く、発注から2日後に届きました。

左右で違うサイズのイヤーピースを利用したいという方にはありかもしれません。

私は次回以降はブラック版のイヤーピースで妥協します。

QCEⅡは純正スペアイヤーピース・スタビリティバンド全サイズ入で¥1,980。

入手性についての追記

ヨドバシ・ドット・コムで、プラチナシルバーXM5用純正イヤーピースが販売されているのを見つけました。

取り寄せなのですぐには手元には来ないようですが、ポイントも付くし送料もかからないので、ヨドバシで購入するのが便利かもしれません。

私の場合はヨドバシで注文してステータスは「取り寄せ後の発送」でしたが、注文から3日後に届きました。

片方¥990。

ペアでほぼ¥2,000は高いですね。

XM4も同様ですがイヤーピースを洗えない

イヤーピースの話で言えば、XMシリーズは両方ともウレタン系であり、最も劣化が速いです。

私は1日あたり5時間前後の利用を3ヶ月前後(定期的な洗浄込み)で、交換したいと思うようなコンディションになりました。

SONY公式でイヤーピースの水洗い・アルコール入ウェットティッシュによる拭き取りは避けるよう言及されており、衛生面が疑問符なところです。

実体験として、週1かそれ以上の頻度でイヤーピースを乾いた綿棒で表面をこすりクリーニングしていますが、表面的なダメージどうこう以前にイヤーピースが臭いはじめます。

劣化が早まろうと耳の健康にはかえられないので、私は洗ってしまっています。

その点、QCEⅡのイヤーピース・スタビリティバンドともにそんな早々に劣化するような素材には見えないし、公式で中性洗剤を用いての水洗いメンテナンスにゴーサインを出しています。

この点はAZ100も同様で、中性洗剤・ぬるま湯での洗浄が推奨されています。

そういった面を考慮すると、純正イヤーピースを利用し、適度なタイミングで毎度買い替える限りにおいては、XMシリーズは結構ランニングコストがかかります。

XMシリーズの遮音性の優秀さは純正イヤーピースによる密閉性の高さも大きな要素を占めており、別のものに変えてしまうとノイキャンが明らかに弱くなります。

それでも、お手入れできるものに変えたいという方は、防塵ネットがイヤーピース側に付いていて、かつ、洗っても大丈夫そうなイヤーピースとして、ともにAZLAがリリースしているSednaEarfit MAX(TWS向けではなくスタンダードのもの)や、SednaEarfit Crystal 2あたりは代替品として結構いいと思います。

ときおり接続が失敗する

私の場合で再現性があるのは、XM5は左耳だけ繋がっていて右耳が繋がらないという現象がたまに起こる。

XM4では接続の失敗というのは、ほぼ記憶にない。

ただし、その後のアップデートでほぼ改善しました。

接続の安定性という意味ではQCEⅡが酷く、しばしば接続が失敗するし、正常に接続できて音声が聞こえている状態であっても、BOSEの専用アプリを開くと接続されていない扱いになることが極めて多い。

大げさでも何でもなく、BOSEのアプリでイヤホンの設定にアクセスできることのほうが稀。

BOSEアプリトップ画面で、やっとアプリがイヤホンを認識した!となってアプリを操作開始して画面を設定画面に変遷させると、また見失っていたりする。

XM4&5・AZ100も私の経験上では、スマホと接続されている限りは純正アプリにアクセスできなかったことはありません。

自分の心音が気になるようになる

XM4では起きなかったことです。

なぜこうなるのか原因はわかりませんが、SONY公式のオーナーアンケートにも「XM5を利用していて、気になる点を挙げてください」という設問の回答の選択肢に、「装着時、自分の心音が気になる」という回答項目がありましたので、SONYも把握しているかもしれません。

歴代のアップデート項目にその旨は明記されていませんでしたが、いつからか全く心音が気にならなくなったので、サイレント修正された可能性があります。

編集後記

過去にBOSEやオーディオテクニカ、そしてSONYの歴代名機を自腹で渡り歩いてきましたが、今回の検証を経て、ガジェットは「実際に毎日使い込んでみないと、本当の価値は1ミリも分からない」ということを改めて実感しました。

カタログスペックの数字を眺めているだけでは、LC3による通話のタイムラグ解消の感動も、量販店の喧騒を一瞬で置き去りにした磁性流体ドライバーの衝撃も、そして「バッテリーが無くなっ…」と途中で力尽きるソニーのお茶目な仕様も、決して気づくことはできなかったはずです。

決して安い買い物ではないからこそ、こうして自分の耳と手元でデバッグした本音の一次情報が、失敗しないイヤホン選びの参考になればこれ以上嬉しいことはありません。

WF-1000XM6にもちろん興味はありますが、EAH-AZ100で十分に満足してしまっていることと、XM6のデザインが物欲をくすぐらないので、迷い中です。

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この記事を書いた人

アラフォー独身男性。
趣味は
ロードバイク(歴8年ですが、フラペのゆるポタ勢)
ゲーム(主にモンハンシリーズ)
PC自作
オーディオ
日々の愛用品のレビューなどをお届けします。

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